濱岡 の担当授業についての 全般的な参考文献



 次の項目別に、初級(大学の教養課程)、中級(大学の専門課程)、上級(大学の専門ゼミ、大学院初級)に分けて挙げてあります。

1.ミクロ・マーケティング全般について
2.商業学、流通論         
3.マーケティング・リサーチ
4.データ分析
5.マーケティング・サイエンス
6.製品開発



濱岡担当の各授業の基礎知識としては、概ね次のようなところを読んでおけばokでしょう。

社会演習(高校)
    1.ミクロ・マーケティング全般について(0 入門的読み物-初級)

商業学
 1.ミクロ・マーケティング全般について (初級)
 2.商業学、流通論            (初級-中級)

マーケティング・リサーチ
 1.ミクロ・マーケティング全般について (初級-中級)
 3.マーケティング・リサーチ (初級-中級)
 4.データ分析 (初級-中級)
 5.マーケティング・サイエンス(初級ー中級)

製品開発論
 1.ミクロ・マーケティング全般について (初級-中級)
 3.マーケティング・リサーチ (初級-中級)
 4.データ分析 (初級-中級)
 5.マーケティング・サイエンス(初級ー中級)
 6.製品開発(初級ー中級)





1.ミクロ・マーケティング全般について
0)入門的な読み物
陸正(1994),『変わる消費者、変わる商品』,中公新書
    花王の元調査部長による、花王でのマーケティングサイエンスの実践例

アル・ライズ (1994)『マーケティング22の法則ム売れるもマーケ当たるもマーケ 』、 東急エージェンシー出版部 
    「一番手の法則」など、マーケティングの実務における経験則をわかりやすくコンパクトにまとめてある。

アル・ライズ, ローラ・ライズ(1999)『ブランディング22の法則』東急エージェンシー出版部 
    同、ブランド版。

パコ アンダーヒル  (2001)『なぜこの店で買ってしまうのか ショッピングの科学 』早川書房 
    店頭での観察の重要性がわかる。

エマニュエル ローゼン (著)(2001) クチコミはこうしてつくられるムおもしろさが伝染するバズ・マーケティング 、濱岡 豊訳、日本経済新聞社  2002年
    クチコミとマーケティングについての読み物。

1)初級(学部での入門、総論的なもの)
日本マーケティング協会編(1995)『マーケティング・ベーシックス』同文館
    日本の研究者が分担執筆した入門書。

Urban, Glen L., John R. Hauser,and Nikhilesh Dholakia(1987)Essentials of New Product Management,Prentice Hall: NJ(林広茂、中島望、小川孔輔、山中正彦訳『プロダクト・マネジメント』プレジデント社、1989年)
    新製品の開発、導入の際に行われるマーケティングリサーチ手法が述べられている。事例も豊富で数式も出てこずわかりやすく書かれたもの。

2)中級(学部専門課程)
コトラー(2001)『コトラーのマーケティング・マネジメント -ミレニアム版』 ピアソン・エデュケーション
    原書は激しく改訂するので、原書でもトライするとよい。

和田充夫、恩蔵直人、三浦俊彦(1999)『マーケティング戦略 2版』有斐閣
    日本の研究者が分担執筆した入門書。細かい概念も紹介されている。

古川 、阿部、守口(2003)『 マーケティング・サイエンス入門ム市場対応の科学的マネジメント』有斐閣アルマ
    構成はコトラーだが、マーケティング・サイエンスのモデルを中心に紹介している。

大澤豊編(1992),『マーケティングと消費者行動 マーケティング・サイエンスの新展開』有斐閣



2.商業学、流通論
1)初級
鈴木安昭(1997),『新・流通と商業』,有斐閣
鈴木安昭、田村正紀(1980),『商業論』,有斐閣新書
石原武政、池尾恭一、佐藤善信(1989),『商業学』,有斐閣Sシリーズ*

2)中級
矢作敏行(1996),『現代流通』,有斐閣
    事例なども各章についている。
田口冬樹(1994),『現代流通論 新訂版』,白桃書房
林 周二(1999)『現代の商学』有斐閣
    「商人」にこだわった著作。
田村正紀(2001)『流通原理』千倉書店
    体系化を図る一方、電子化など新しい分野にも言及。ただし、歴史、国際比較には触れていない。
石井寛治(2003)『日本流通史』有斐閣
    古代から現代までの「流通」史。
日経流通新聞編(1993)『流通現代史』, 日本経済新聞社
    読み物。年表が参考になる。
嶋口、竹内、片平、石井編(1998)『マーケティング革新の時代4 営業・流通革新』, 有斐閣
荒川祐吉(1983)『現代商学全集 1 商学原理』中央経済社
   
3)上級(研究書もしくは経済的な分析)
田村正紀(1986),『日本型流通システム』,千倉書房
丸山雅祥(1988)『流通の経済分析』, 創文社
丸山雅祥(1992)『日本市場の競争構造』, 創文社
三輪芳朗、西村清彦編(1991),『日本の流通』,東京大学出版会
成生達彦(1994),『流通の経済理論』,名古屋大学出版会



3.マーケティング・リサーチ
0)読み物的
上の 陸正(1994)
  パコ アンダーヒル  (2001)
など   

1)初級
飽戸弘(1987),『社会調査ハンドブック』,日本経済新聞社
    調査のあり方、サンプリングなど、基本的な考え方がわかりやすく書かれている。調査の心構えを作るには良い本。社会調査とタイトルにあるが、市場調査 にもそのまま使える。
    いろいろな調査に使えそうな調査項目の例(ライフスタイル、フェイスシートなど)がV部に採録されている。
吉田正昭、和田若人、仁科貞文(1983),『マーケティング・リサーチ入門  消費者のこころを測る』,有斐閣新書(絶版)
    出版年は古いが、手法ありきではなくて、問題ありきの発想で書かれたコンパクトな良書。

2)中級
林、上笹、種子田、加藤(1993),『体系マーケティング・リサーチ事典』,同友館
    最近のマーケティングリサーチの日本語の本の中では、比較的好評な本。図表などをつかって、項目の整理を見やすくして欲しかった。
辻新六、有馬昌宏(1987)『アンケート調査の方法  実践ノウハウとパソコン支援』朝倉書店,p.45
    著者らの行った調査を題材として、アンケート調査の進め方全般や、調査票の作成、サンプリングなど非常に細かいノウハウが具体的に、わかりやすく記されて いる。まとめの表が多く便利。ただし、調査は全て名目尺度で行われているので、分析についてもクロス集計どまり(メトリックなデータについての分析は紹 介されていない)。
朝野 煕彦(2000)『マーケティング・リサーチ工学    シリーズ・マーケティング・エンジニアリング』朝倉書 店
Aaker, David A., V. Kumar, and Gorge S. Day(2000)Marketing Research 7th ed., Prentice Hall: NJ(野中、石井訳『マーケティング・リサーチ』白桃書房、1981年はこれの初版の翻訳)
    翻訳は読みにくく、古いので原書を読むべき。
豊田秀樹(1999)「調査法講義」朝倉書店
青井(監修)(1983)『社会調査の基礎』サイエンス社
    上記2冊は定量的調査に注目した本。標本抽出などが詳しい。

3)上級
Bagozzi, Richard eds.,(1994),Principles of Marketing Research,Basil Blackwell: MA
Bagozzi, Richard eds.,(1994),Advanced Method of Marketing Research,Basil Blackwell: MA
    ともにマーケティングリサーチで用いられる基本的な手法、進んだ手法の数学的な背景を解説している。



4.データ分析
    これについては、本を100冊読むよりも、1度、自分で分析した方が身に付く。フリーのR というソフトを使うとよい。これについてはホームページの「R の使い方」を参照。

(1)初級
本多正久、島田一明(1977)『経営のための多変量解析法』産業能率短期大学出版部
    経営において直面する問題(店の売上をあげるにはどうするか?)を取り上げており、それを解決するための、いろいろな方法が紹介されている。各章とも例え ば、「回帰分析とは」という節で具体例を紹介し、「数学的定式化」、「結果の解釈」という順に記述されている。考え方を知りたい人は「数学的定式化」のと ころは、読まなくても大丈夫。
市川伸一、大橋靖雄、岸本敦司、浜田知久馬,(1994),『SASによるデータ解析入門 第2版』,東京大学出版会
    統計は本で読むだけでなく、具体的な問題について、自分で分析しながら勉強していく方が効率的。この本は、統計パッケージSASの使い方を紹介したものだ が、基礎的な統計学、回帰分析、因子分析などの手法も紹介されている。

東京大学教養学部統計学教室編(1992),『統計学入門』,東京大学出版会
    統計学の基礎概念を紹介している。
東京大学教養学部統計学教室編(1994),『人文・社会科学の統計学』,東京大学出版会
    経済統計や標本調査、調査法など、人文・社会科学の統計学について幅広く紹介されている。ただし、因子分析やクラスター分析などについては紹介されていな い。

John Fox(2002) An R and S-Plus Companion to Applied Regression , Sage Pubns
    フリーの統計ソフトRを用いた分析。データ分析は、まずデータになれることから。グラフや回帰など基礎的な部分が中心だが、グラフの加工、Rでのプログラ ミングなど多々参考になる。

(2)中級
間瀬ら(2004)『工学のためのデータサイエンス入門』数理工学社
    工学者向けとはいっても、レベル的には統計I,II。数式はおいておいて、Rをつかう部分にまずは注目する。
ヴェナブルズ、リプリー(伊藤ら訳)「 S-PLUSによる統計解析」シュプリンガー・フェアラーク、2001年
    S-plus用だがRでも、ほぼそのまま使える。原書より版が一つ古い。
Hair, Jr., Joseph, Rolph E. Anderson, Ronald L. Tatham, and William C. Black,(1995),Multivariate Data Analysis with Readings 4th ed.,Prentice Hall: NJ
    多変量解析の各手法について、分析の手順や結果の解釈の方法などが述べられている。理論的な背景が説明されていないので、物足りない気もする。しかし、 SASの出力結果の読み方などが例示されており、単に使いたいという人にはよい。また、各手法毎に、その手法を適用した主にマーケティングの論文が readingsとしてつけられているのが便利。
Manly, Bryan F. J.(1971),Multivariate Statistical Methods: A Primer,(村上正康、田栗正章訳『多変量解析の基礎』,培風館,1992年)
    多変量解析の数学的な背景の初歩的な部分を知りたい人にお奨め。薄い本で読みやすいが、数学的な記述が中途半端なのでフラストレーションがたまるかも。

(3)上級
Johnson, Richard A. and Dean W. Wichern(1992),Applied Multivariate Statistical Analysis 3rd ed.,Prentice Hall: NJ
    数学的な背景について詳細に書かれているので、興味がある人にはお奨め。Manlyでは物足りない人に。
奥野忠一、久米均、芳賀敏郎、吉澤正(1971),『多変量解析法』,日科技連
    古い本なので新しい手法については述べられていない(回帰分析、因子分析、主成分分析、クラスター分析などに限定されている)が、数学的な背景について詳 細に書かれているので、興味がある人にはお奨め。
豊田秀樹編(1998)『共分散構造分析 事例編』北大路書房
    様々な分野における応用例。推定に用いたプログラムも掲載。
豊田秀樹(1998)『共分散構造分析 入門編』朝倉書店
豊田秀樹(2000)『共分散構造分析 応用編』朝倉書店
    文字通り共分散構造分析の入門編と応用編。後者では、共分散構造分析の枠組みを用いて、分散分析、項目反応理論などへの応用が進められる。
    参考)Rだとsemというパッケージで共分散構造分析が可能。



5.マーケティング・サイエンス

1)初級
上記の 『プロダクト・マネジメント』
上記の 古川 、阿部、守口(2003)

2)中級
守口(2002)『プロモーション効果分析    シリーズ・マーケティング・エンジニアリング』朝倉書店  
岡太 彬訓ら (編)(2001)「 マーケティングの数理モデル    経営科学のニューフロンティア 」 朝倉書店 
Lilien and Arvind Rangaswamy(2002) Marketing Engineering: Computer-Assisted ,Marketing Analysis and Planning 2nd ed, Prentice Hall
    英語ですがソフトを使いながら学習できるのがよい。

3)上級(学部の専門ゼミ、大学院初級)
片平秀貴(1987),『マーケティング・サイエンス』,東京大学出版会
    数学的な背景に興味がある方にお勧め。
Lilien, Kotler, Moorthy (1991) Marketing Models, Prentice Hall

4)大学院上級
Eliashberg and Lilien, マーケティング・ハンドブック,朝倉書店,1997年
    文字通りマーケティング・サイエンスのハンドブック
 


6.製品開発
1)初級
 上の『プロダクト・マネジメント』『変わる消費者、変わる商品』

延岡 健太郎(2002) 「 製品開発の知識」  日本経済新聞社    
    細かいリサーチ手法ではなく、経営戦略、技術戦略からみた製品開発。

2)中級
(1)マーケティングよりの内容
朝野煕彦、山中正彦(2000) 『新製品開発』, 朝倉書店

(2)生産管理よりの内容
藤本隆宏(2001) 『生産マネジメント入門 II 生産資源・技術管理編』, 有斐閣
藤本隆宏(2001) 『生産マネジメント入門 I 生産システム編』, 有斐閣
圓川隆夫、安達俊行(1997) 『製品開発論』, 日科技連
Ulrich and Eppinger(2000) Product Design and Development 2nd. Ed., Irwin McGrawhill
一橋大学イノベーション研究センター編(2001) 『イノベーション・マネジメント入門』, 有斐閣

嶋口、竹内、片平、石井編(1999)『製品開発革新 マーケティング革新の時代2』, 有斐閣
    事例集
Clark,Kim B. and Takahiro Fujimoto(1991)Product Development Performance, Harvard Business School Press(田村明比古訳「製品開発力」ダイヤモンド社、1993年)
    80年代の日本の自動車の競争力の源泉を「製品開発力」に求めた研究。
藤本隆宏、安本雅典(編著)(2000) 『成功する製品開発』, 有斐閣
    各種業界のケーススタディ+アンケート調査。








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