今回分 講義への意見・質問



1)講義の内容について

Q:コミュニケーション効果測定の意義が分かった。

Q:企業は広告効果の測定をしているのか?セガにせがたさんしろうの広告人気と売り上げとの関係を質問したが、広告の影響かどうかわからないがソフトは伸びたと答えてくれた。広告コストは高いだろうに、企業は売り上げ効果を調べないものなのでしょうか?

→コミュニケーション効果、売上効果ともにきちんとフォローしている企業は極めて少ないでしょう。

 厳密に測定しようと思ったら、広告を増した地域とそうでない地域とをつくって比較するという方法をとった方がよいでしょう。

 なお、効果を測定しないのは、クライアント(広告主企業)および代理店の怠慢であるという話を聞いたことがあります。測定して効果があがっていないことがばれると、両方の担当者の立場がなくなるので測定しないのだそうです。

 この他にも、測定するときに再生率ではなくて認知率で測定することの方が多い、というのは、再生率だと非常に数字が低くなってしまい、担当者の責任問題になってしまうので、高めの数字がでる(その代わり広告間での違いが明確にでにくい)認知率を使うことが多いということもきいたことがあります。

 

 

Q:テレビ広告は商品のイメージなどを向上するための周辺情報を与えるものというが、テレビショッピングCMなどは例外なのだろうか?

→広告のコミュニケーション効果について話をすると必ず出てくるのが、この質問です。

 ELMのフレームを用いて考えると、もともと関与が高い人が視聴しているとか、長時間見ていることによって関与が高まる、もしくは説得されてしまうのでしょうかね?

 インフォマーシャル視聴者の心理的モデルというのはありませんので考えてみて下さい。

 

 

Q:コンジョイント分析の例で、効用の求め方をもう少し具体的に知りたい。

→いろいろな方法がありますが、ここでは最も簡単な、選好順位に対して、回帰分析を行うことによって求める方法を紹介します。

 簡単のため、シャンプーについて、髪へのやさしさ、種類別対応、ブランドの3属性を考え、それぞれについて、ある/なしの二通りの水準があるとします。

 

 これらを組み合わせると、8通りの製品ができます(直交配置という考え方を用いるともっと効率的に実験できるが省略)。これらを消費者にみせて、好きな順位を回答させます(選好順位:右端の列)。

 この選好順位を従属変数、個々の属性を説明変数として回帰分析を行います。

 →選好順位=β1x1+β2x2+β3x3

  推定されたβ1〜β3(にマイナスをつけたもの:順位の番号が小さいほど好まれるため)が、各属性が1のときの部分効用になるわけです。

 

製品プロファイル番号

x1

髪へのやさしさ

0:やさしくない

1:やさしい

x2

種類別対応

0:なし

1:あり

x3

ブランド

0:国内メーカー

1:海外メーカー

好きな順位(選好順位)

1

0

0

0

2

2

0

0

1

1

3

0

1

0

3

4

0

1

1

4

5

1

0

0

5

6

1

0

1

8

7

1

1

0

7

8

1

1

1

6

 回帰分析の従属変数は、メトリックな変数であるのに、ここでは順位というノンメトリックな変数を従属変数にしています。しかしながら、それでも結構うまくいくそうです。

 なお、順序関係の情報のみを用いて、より複雑なモデルを用いて推定しようというモデルもあります。

 詳しくは、片平秀貴(1991)『新しい消費者分析 LOGMAPの理論と応用』, 東京大学出版会を参照。

 

 

 

Q:以前ホールでラジオかなにかの調査対象になったことがある。何がもくてきだったかわからないが、目的も教えてくれなかった。ただし、2時間で8000円もらえてよかった。

→目的そのものは通常、被験者には教えません。

 



2)講義の進め方について
Q:テストにもいろいろあり、無意味に行われているのではないことがわかった。

→目的を明確にして、適切なテストを選ぶことが必要です。



3)その他


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