ミクロマーケティング各論(市場調査論)
 06/06日分講義への意見・質問



1)講義の内容について

Q: t検定がよくわからないので来週もう少し詳しく説明して欲しい。
→推定値が0という仮説を検定する方法です。

 帰無仮説は推定値=0。

Q:標準化回帰係数の話は初めてきいた。
→参考になってよかったです。


Q: ゼミではsasの使い方しか教えてくれないが、理論的な背景を少し教えてくれて興味深かった。因子分析と主成分分析の違いがよくわからない。因子分析だけでも良いような気がする。標準化の意味も分かった。
→ ゼミでも理論的な背景を教えてくれ、といってみたらどうでしょうか?

 主成分分析は、観測される変数群を(それらに共通する変動をするような)より少ない変数に集約するという発想の手法です。式で表すと次のようになります。

 x:観測される変数   p:主成分

  f1=a11x1+a12x2+...

  f2=a21x1+a22x2+...

   .....

  →f=ax

  →主成分=もとの変数xに重みaをかけて足したもの

 因子分析は、似たような変動をする(観測される)変数群の背景には「観測されないが、それらに共通の影響を与えている変数=因子が存在しているからだ。それを見つけよう。」という発想です。式で表すと次のようになります。

  x:観測される変数   f:観測されない因子    e:誤差

  x1=b11f1+b12f2+...+e1

  x2=b21f1+b22f2+...+e2

   .....

  →x=bf+e

   観測される変数=観測されない因子の加重和である。ただし、観測には誤差が含まれている。

というモデルです。

 各式をベクトル、行列表示すると次のようになります。

 主成分分析  f=ax

 因子分析   x=bf+e

 

 主成分分析の式をxについて解くと、次式となります。

        x=inv(a) f 

 ただし、inv(a) :aの逆行列。

→こうすると誤差の部分を除いて因子分析とほぼ同じ形になります。



2)講義の進め方について
Q: probについて再説明したので少しわかるようになった。
Q: 初めて統計学というものがわかったような気がする。
→ それはよかったですね。統計学というのは「現実の問題を解くために」生まれたものです。現実との接点を忘れてはならないでしょう。


Q: 統計学を忘れていて、よくわからなかったけれど、販売高と乗客数の相関の図は面白かった。
Q:統計でやった内容だが、忘れていたところもあった。
Q:数学がすごく苦手なので、もう少しわかりやすくやって欲しい。
→自分でも復習して下さい。

Q: よくわからないところもあったが、資料がよいので家で復習する。
→ そうしてください。



3)その他
Q: 秋学期の「マーケティング意思決定論」履修していないが、出席してもよいか?
→ 教室が人であふれかえるということはないでしょうから、邪魔にならなければよいでしょう。

プリントの例(p.75)を行うためのSASプログラム

data exsales;

/* データをカードから入力。変数名は以下の通り

shopno 店番号 sales 販売高  traffic 乗降客数

width 間口   nitem 取り扱い品目数*/

input shopno sales traffic width nitem;

cards;

/*以下はデータ*/

1 131 149 2.3 99

2 197 188 2.4 178

3 222 282 2.6 110

4 170 183 2.9 95

5 168 221 2.4 82

6 155 128 4.3 104

7 205 153 4.8 190

8 269 197 6.6 288

9 206 125 6.0 169

10 126 77 3.6 156

11 261 210 5.4 283

12 248 258 5.2 170

13 250 254 3.8 228

14 157 114 3.0 145

15 166 174 3.2 151 ;

/*記述統計を算出*/

proc means data=exsales;

var sales traffic width nitem;

/*販売高を縦軸、乗降客数、間口、取り扱い品目数を横軸にしてプロット*/

proc gplot data=exsales;

plot sales*traffic;

plot sales*width;

plot sales*nitem;

/*変数間の相関係数を算出*/

proc corr data=exsales;

var shopno sales traffic width nitem;

/*次の3通りの回帰分析を行う。

  販売高=a1乗降客数 +b

  販売高=a1乗降客数 + a2間口 +b

  販売高=a1乗降客数 + a2間口 +a3品目数 +b

    stbオプションで標準化係数を出力させている。*/

proc reg data=exsales;

model sales=traffic/stb;

model sales=traffic width/stb;

model sales=traffic width nitem/stb;

run;



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