ミクロマーケティング各論(市場調査論)
 05/16日分講義への意見・質問



1)講義の内容について
Q:  oplの定義がよくわからない。知ったか振りもいればいろんなのがいる。同じ時期でも人の性格によって変わることもある。
→ 学術的な定義はあるかも知れませんが、あそこでの定義は「他の人に情報を与えたり、行動することによって影響を与える人」という意味でしょう。


Q: グルインの構成員はどうやって選ぶのか
→ トピックにふさわしいと思われる人をつてなどを頼って探してくるのです。グルイン会社の強みというのは、コネクションの広さにあります。


Q: 何を目的としてインタビューしているのかよくわからなかった。質問者の尋ね方や、リサーチ目的の理解の程度に問題があるのでは。 Q: 特定商品のグルインなども見てみたい。
→ ある製品の使用感想グルインの方が、ポイントをまとめやすいで。しかし、グルインは方向性が見えない場合に行われたわけですから、このような(地域別の)実態把握ができて、いくつかの仮説が出てくればokということになる場合もあるのです。


Q: 地域別の情報構造のアンケート結果を見てみたい。
→そのうちお見せします。

Q: 定性的リサーチに先入観をいれて変に意見を要約するのはよくない。
→リサーチの結果をまとめるという作業は必要でしょう。講義でまとめたのは、あくまで「今回のリサーチ対象」の特徴であり、東京、広島の消費者への一般化をしたわけではありません。


Q: 東京walkerは地方誌だと思う。
→人により解釈がいろいろあってもよいと思います。定義によってマーケティングリサーチの結果や、マーケティング意思決定に影響が生じるのならば、まじめに考えることが必要でしょうが、この場合にはそうではないので、深く追求する必要はないでしょう。




2)講義の進め方について
Q: 5、6が意見が出てくる所なので時間を取って欲しかった。  時間がなくなって残念。Q:6の設問について他の人の意見を聞きたかった。
→申し訳ない。つぎのような仮説が上がっています。
 注意しなければならないのは、これらがマーケティングにどう関連してくるかを考慮することと、それをマーケティングリサーチで、どう測定するかということです。

・東京の人は進歩的で地方は保守的

・地方は保守的な分、一度はやれば長期に人気が継続する。

・東京にはオピニオンリーダーが点在しているが、広島にはしていない。

・東京は個々の判断基準が明確だが広島では明確ではない。

・日本における情報の発信地は東京と大阪である。

・地域別に情報の浸透がことなるため、地域別に広告を変化させることが必要。

・広島版東京ウオーカーを出版したら売れる。

・消費者が多様な情報を得ることは便益となる。

・ブランドは信用性を創造する。

・東京での成功は、商品のプレミアム化にある。

・都市と地方では情報に対する執着度に差がある。

・クチコミによる情報伝達は機能するところとないところがある。

・仲良し集団グループに属している人といない人では、商品に対する効用関数の違いがある。

・都市の方が情報を投入することによって産まれる波及効果は大きい。

・東京で流行らなければ地方で流行らない。情報源は東京中心。

・地方では情報が活かせないことに不満を持っている。

・関西は東京より派手。

・化粧品はクチコミ重視、ブランド重視される。

・菓子、飲料はCMやパッケージのインパクト重視。

・食品に関しては、TVCFのように実際に動く媒体を見ることによって興味が持たれる傾向がある。その他についてもCMの影響力は強そう。

・広島にあるおいしい食べ物の店、ファッションの店を紹介している雑誌が求められている。

・広島で東京の雑誌を見たときに「欲しくても買えない」状況がある。この不満を解決することが求められている。

・東京と広島では情報的にほとんど差がない。

・20代独身女性はオピニオンリーダーとなって流行を作り出す。

・東京は情報の発信源となっている。

・化粧品はクチコミがもっとも重要。

・歯磨き用品は専門家のコピーを入れると良い。

・あらゆる商品に対してCMの力は大きい。

・東京に関しては雑誌に広告を載せるとよい。

・雑貨品はクチコミをうまく使えばヒットさせることができる。

・情報は雑誌を通じて地方に伝達する。

・情報が浸透するか否かは物流に左右される。

・クチコミ情報を集めた雑誌は売れる。

・都市別に売れるファッションのタイプは異なる。

・単価の安いものほど広告の効果が大きく、ブランドの効果は低い。

・東京の人は地方を大雑把に捉えているが地方では、細かく捉えている。

・東京の人は関東以外を遠いと 思うが、その他の人は東京を近いと感じている。

・その分野に趣味、専門性をもつ人がオピニオンリーダーとなる。

・情報は大都市から地方都市へと広がる。

・情報は大都市から地方へとライムラグなしで伝わる。

・大都市から地方都市へ情報が伝わる速さは距離とは無関係。

・情報媒体としてはクチコミの信頼度が高い。

・流行な食べ物はテレビCMの影響を受けやすい。


Q: ケースの模範回答を配ってもらえたりすると嬉しい(生徒の補足ではなく、別の視点からの)。
→ケースに模範解答はないとよくいわれます。私が何かを配布すると、それが模範解答として一人歩きしたり、次年度の学生に渡って、そのケースを使えなくなったりするというデメリットもあります。


Q: このような授業はなかなか楽しい。Q: とても興味深いが用意は大変。
→楽しみましょう。


Q: 広島にすんでいたことがあって逆にやりにくかった。実態を知っているだけにうなづけることもあるが、そんなのおまえらだけだろうとか、余計なことまで考えてしまい、客観的に読むことができなかった。 Q:広島出身の女の子と一緒にレポートをしたので楽しかった。 Q: インタビュー内容を読むのが面白かった。
→私も広島ですが、 知っているだけに...というのは同感ですね。

 マーケターになってあるブランドを担当したとしましょう。自分がもっているイメージ、考えと違う反応が消費者からでてきた場合には、消費者や調査方法を疑うだけではなく、自分も疑うべきでしょう。


Q: グルインでolを対象にしているのは、92年だから。今は女子高生を対象にした方が有効だと思う。お金も今のOLよりはもっていると思う。
→ いま注目の女子高生ですが、実は何もわかっていないというのが、そのうちする「味の素クノールカップスープ」のケースを読むとわかるでしょう(女子高生はカップスープをおいしい、おいしくないとしか区別していないのに対して、主婦は7通りに区別していたということです)。


Q: 教科書の目次をつくって欲しい。
→日程表が目次(ページ数は入っていませんが)になっています。


Q: 声が小さい生徒が発言していたらマイクを差し出して欲しい。あまり考えていない人の仮説はほどほどに扱って、よく考えている人の仮説を吟味するとためになる。
→ 確かにそうですね。しかし、小さい声の人の発言もできるだけ聞き易いよう前の方に座るという配慮も必要でしょう。



3)その他
Q: なぜみんな後ろに座るのが好きなのか?リサーチしてみたい。
→なぜでしょう?


Q: これ意外の調査の仕方も時間があったらしたい。
→ してみてください。




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