日本における新製品の導入状況 88/4〜92/09に市場に導入された新製品のうち、534ブランド(アイテム)についてのデータ(ビデオリサーチ社ホームスキャンシステム)についての分析。 図表 1年後のシェア、浸透率、リピート率と一年間の累積GRP、累積ISP、1年後の値引率 シェア(%) 浸透率(%) リピート率(%) GRP ISP 値引率(%) 最大値 25.22 35.26 100.00 23593 1253 48.81 最小値 0.00 0.00 0.00 0 0 0.00 平均値 2.68 5.08 12.41 3789 44 12.28 標準偏差 3.46 5.51 9.59 3399 124 8.03 20%以上のシェアを得た新製品 2 10%以上のシェアを得た新製品 28 5%以上のシェアを得た新製品 90 残りの443の新製品は5%のシェアを得られない。 →多くの新製品が失敗して消えている。 成功の確率を高めるためには? ・テスト・マーケティング ・模擬テスト・マーケティング(プリテスト、ラボテスト)  適用できる条件   革新的な新製品ではない。   リピート購入が行われる非耐久消費財。 ASESSORモデル  二つのモジュール ・トライアル・リピートモデル ・選好モデル ・トライアル・リピートモデル  売上=トライアルによる売上+リピートによる売上  長期的な(究極の)マーケットシェア:s   s=p×r p:究極的な浸透率(長期のトライアル率:最低一回でも購入した人の割合) r:トライアル者の中での究極的なリピート率  トライアル=広告の影響によってトライアルする者 + サンプル配布によってトライアルする者     p=F×K×D + C×U - F×K×D×C×U F:配荷率、知名率の制約がなかった場合にトライアルする確率(実験室での測定データ) K:長期的な知名率 D:長期的な配荷率 C:無料サンプルを受け取った者の割合 U:無料サンプルを受け取った者の中で、それを使う者の割合  r:ブランドの選択をマルコフ過程と考える。  次式によって算出される。 下の例ではr=0.545 ・選好モデル  定和ペア比較によって消費者iのブランドjに対する選好度を測定。 例:定和ペア比較による選好の測定 Q11.下には、マクドナルドの「ハンバーガー」を二つづつ組み合わせてペアにしてあります。   これら28組のペアについて、左と右の二つのハンバーガーを比較して、あなたが食べるとした場合に、どちらのほうを買いたいか、あなたの気持ちにもっとも近い番号に○をつけてください。  なお、あなたが(自分で食べるために)買ったことがないものが含まれているペアについては、記入していただく必要はありませんので、下の例のようにペアを消してください。そして、残ったものについてお答えください。   例  ・ハンバーガ{130円}  11----10----9----8----7----6----5----4----3----2----1----0 フィレオフィッシュ{240円}           左のハンバーガーを   どちらとも   右のハンバーガーを           非常に購入したい  いえない    非常に購入したい           ↓        ↓        ↓ (1)ハンバーガー{130円} 11---10----9---8---7---6---5---4---3---2---1---0 ダブルバーガー{240円} (2)ハンバーガー{130円} 11---10---9---8---7---6---5---4---3---2---1---0 フィレオフィッシュ{240円} (3)ハンバーガー{130円} 11---10---9---8---7---6---5---4---3---2---1---0 チキンタツタ{280円} (4)ハンバーガー{130円} 11---10---9---8---7---6---5---4---3---2---1---0 チーズバーガー{160円} (5)ハンバーガー{130円} 11---10---9---8---7---6---5---4---3---2---1---0 ダブルチーズバーガー{270円} (6)ハンバーガー{130円} 11---10---9---8---7---6---5---4---3---2---1---0 てりやきマックバーガー{円} (7)ハンバーガー{130円} 11---10---9---8---7---6---5---4---3---2---1---0 ビッグマック{280円} ........  消費者iがブランドjを選ぶ確率 Lijとして、パラメーターbを推定。 ただし、mi:消費者iの想起セットに入っているブランド。  新製品zが導入され、選択される確率。  想起セットに入れる者の割合を考慮することによって、マーケットシェアの推定値を求める。 ・収斂的なアプローチ  選好モデルとトライアルリピートモデルのシェアの推定値を比較。  大きな食い違いがある場合には再検討。