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Test_of_Hypotheses

仮説検定の手順について

    • 仮説を設定して、それをアンケートによって測定、検定することを想定。
  • 仮説の設定
    • 先行研究や事例研究などを踏まえて、注目する概念(変数)を定義。
    • 概念(変数)間の関係を仮説として設定。
  • 測定項目の設定
    • 概念を測定するためのアンケート項目を設定。最低2項目。
    • 意味妥当の検討。
      • 想定する概念を測定するために相応しい項目か?
      • 先行研究などを活用する方が良い。例 オピニオン・リーダー度、早期採用者度、関与度などは標準的な調査項目が存在。自分で勝手に作成するよりも、それらを利用する方がよい。
      • 例 ???について詳しい  知識のようなスキルのような あいまいなワーディング

    ???についてよく知っている  知識であるが、オピニオン・リーダー度ではない。

    • 先行研究との比較が可能、意味、収束などの妥当性も先行研究の方が高い など。
    • 概念と調査項目の対応表の作成 をしておくと、見落としがなくなる。後の分析にも有用。
  • 調査票の作成
    • 項目をバランスよく配置。実態なども訊いておくとよい。
  • データの収集
    • アンケートを実施してデータを収集。適切な対象に。
    • すべて5などの無効回答は削除。
    • 入力して無回答への対応も考える。 
  • データの概観把握
    • 単純集計をみてみて、特徴を把握。
    • 分布に歪みなどがないか(例 購買頻度の非常に高い人とそうでない人が極端に分布)、などもチェック。
  • 弁別、収束妥当性性の検討
      • 異なる概念が異なる概念として弁別できているか?
      • 同じ概念を測定した変数は収束しているか?
    • 仮説に関係する変数群の相関係数を眺める。
      • 同じ概念を測定した変数間には高い相関、異なる概念を測定した変数間には低い相関であるべき。
    • 以下はη1とη2の概念をそれぞれx1-x3,x4-x6で測定した例。
    • 探索的因子分析
      • 相関係数を眺める手間を省くための手法。異なる概念が別の因子、それぞれの概念について、想定している変数の因子負荷量が高くなっているかをみるとよい。
      • 概念間の相関は0であるという積極的な理由がない場合を除いて、回転するならば斜交回転(例えばプロマックス回転)。
      • これで意図したようにわかれなかった場合も、相関のチェックという原始的な方法でそこそこいけていれば、まあok。
      • なお、意図した因子がでてこないから仮説を変更する、のではなく、まずは自分で設定した仮説を優先して、下記のようなことをして自分の設定した概念が測定できるようにするべき。いずれにしても最終的には確認的因子分析を行うことが望ましい(サンプル数が充分あるならば)。

(a) 弁別、収束妥当性とも成立

				η1			η2	
			x1	x2	x3	x4	x5	x6
		x1	1.00 	0.60 	0.70 	0.20 	0.20 	0.20 
	η1	x2	0.60 	1.00 	0.80 	0.10 	0.10 	0.15 
		x3	0.70 	0.80 	1.00 	0.15 	0.30 	0.20 
		x4	0.20 	0.10 	0.15 	1.00 	0.70 	0.80 
	η2	x5	0.20 	0.10 	0.30 	0.70 	1.00 	0.90 
		x6	0.20 	0.15 	0.20 	0.80 	0.90 	1.00 
(b)-1 η1の収束妥当性について疑問がある						
→η1を測定したつもりのx3だが、x1, x2との相関が低くなった。→分析から除外。							
				η1			η2	
			x1	x2	x3	x4	x5	x6
		x1	1.00 	0.60 	0.30 	0.20 	0.20 	0.20 
	η1	x2	0.60 	1.00 	0.30 	0.10 	0.10 	0.15 
		x3	0.30 	0.30 	1.00 	0.15 	0.30 	0.20 
		x4	0.20 	0.10 	0.15 	1.00 	0.70 	0.80 
	η2	x5	0.20 	0.10 	0.30 	0.70 	1.00 	0.90 
		x6	0.20 	0.15 	0.20 	0.80 	0.90 	1.00 
(b)-2 η1の収束妥当性について疑問がある→η1を測定したつもりの3変数間の相関が低い。						
→x1-x3のうち、意味的にみて重要なもののみを用いる(SEMだとパス係数1、誤差0)として。							
				η1			η2	
			x1	x2	x3	x4	x5	x6
		x1	1.00 	0.20 	0.30 	0.20 	0.20 	0.20 
	η1	x2	0.30 	1.00 	0.30 	0.10 	0.10 	0.15 
		x3	0.30 	0.30 	1.00 	0.15 	0.30 	0.20 
		x4	0.20 	0.10 	0.15 	1.00 	0.70 	0.80 
	η2	x5	0.20 	0.10 	0.30 	0.70 	1.00 	0.90 
		x6	0.20 	0.15 	0.20 	0.80 	0.90 	1.00 

(c)-1 収束妥当性、弁別妥当性について疑問がある。して用いる。 →η1を測定したつもりのx3がη2との相関が高くなった。 →意味的にみてx3をη2に入れても問題がなければ入れる。問題があるならば除去。

				η1			η2	
			x1	x2	x3	x4	x5	x6
		x1	1.00 	0.60 	0.40 	0.20 	0.20 	0.20 
	η1	x2	0.60 	1.00 	0.40 	0.10 	0.10 	0.15 
		x3	0.40 	0.40 	1.00 	0.80 	0.60 	0.60 
		x4	0.20 	0.10 	0.80 	1.00 	0.70 	0.80 
	η2	x5	0.20 	0.10 	0.60 	0.70 	1.00 	0.90 
		x6	0.20 	0.15 	0.60 	0.80 	0.90 	1.00 

c-2 弁別妥当性について疑問がある。→η1,,η2の相関が高い。 →二つの概念が弁別できていないのでまとめて1つの概念にする。

				η1			η2	
			x1	x2	x3	x4	x5	x6
		x1	1.00 	0.60 	0.80 	0.80 	0.80 	0.70 
	η1	x2	0.60 	1.00 	0.90 	0.76 	0.76 	0.69 
		x3	0.80 	0.90 	1.00 	0.80 	0.60 	0.60 
		x4	0.80 	0.76 	0.80 	1.00 	0.70 	0.80 
	η2	x5	0.80 	0.76 	0.60 	0.70 	1.00 	0.90 
		x6	0.70 	0.69 	0.60 	0.80 	0.90 	1.00 
								

c-3 収束、弁別妥当性とも低い。→変数間の相関が低い →ワーディングなどに根本的な問題があった? 仕方ないのでそれぞれ、意味的に見て重要な変数を1つづつ使って分析。

				η1			η2	
			x1	x2	x3	x4	x5	x6
		x1	1.00 	0.30 	0.40 	0.40 	0.30 	0.20 
	η1	x2	0.30 	1.00 	0.10 	0.30 	0.30 	0.20 
		x3	0.40 	0.10 	1.00 	0.30 	0.50 	0.20 
		x4	0.40 	0.30 	0.30 	1.00 	0.40 	0.30 
	η2	x5	0.30 	0.30 	0.50 	0.40 	1.00 	0.20 
		x6	0.20 	0.20 	0.20 	0.30 	0.20 	1.00 
  • クロンバックα係数の算出
    • 相関が高い変数でも数を増やせば増加する傾向があるので注意。
  • 変数の合成
    • 5段階ものなど、単位がそんなに変わらない場合には単純合計。
    • 個数と5段階への回答など単位が異なる場合にはそれぞれ平均0,分散1にしておいて合計する。因子得点を用いる、など。
  • 回帰分析などによって仮説検定

具体的な内容

下記のような記述、図表 が必要。

  • 仮説の一覧
    • パス図なども
  • 仮説と調査項目の対応表
  • 単純集計表
  • 測定の妥当性の検討
    • 弁別妥当性、収束妥当性の検討
      • 観測した変数間の相関係数。もしくは探索的因子分析。あくまで探索的なので、そんなに重視しなくともよい。最終的には確認的因子分析
      • 収束妥当性: クロンバックα
      • 合成して作成した概念間の相関係数
    • 分析