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HowToWriteYourPaper

論文のまとめ方について

チェックシートなど

  • 参考書式
  • (重要)チェックシート
    • 2022-23年版
      • 執筆前に必ず目を通し、それを意識しつつ書くこと。
      • 提出前には自分でチェックして、論文とあわせて提出。

 0 大学での研究としての前提

  • これまでの知見にプラスアルファする。
  • その前提として、これまでの知見をまとめる。
    • 他者の意見を利用=引用することは問題ない(正しく引用されていれば)。
    • 事実、他者の意見と自分の意見、考察を明瞭に区別する。
      • 正しく引用する(「 」で区別。および出所の明示。引用は数行程度の範囲)。
      • 引用方法が正しくない場合は「剽窃」として厳しい罰則が与えられる。
      • 例)学生だと放ゼミ、カンニングと同等扱い。教員がするとクビ。
    • 自分が読んでいないものを参考文献にリストしてはいけない。
  • 根拠を明示
    • 事実や文献については、他の人(ゼミ生も含む)が論拠を確認できるように出所をしなければならない。
    • 自分の意見でも、その論拠を説明。

 1 そもそも

  • 重要なのは次の点
  • 1)目的が明確か?
  • 2)目的を達成するのに相応しいことが行われているか?
      • データや先行研究のサーベイ
      • 正確、明確な定義
      • 適切なワーディング
    • 3)研究からなにがわかったか?
      • 目的に応じた知見、できれば新しいfindingsやアイディアがあるか?
    • 4)期限内でどこまでするか?
      • 時間、能力の限界を踏まえて現実的に。

 2 各ステップで重要な点

  • 目的を明確に
  • 仮説を明確に
  • 仮説はおおむね構成概念間の関係に関するものであることが多い。
    • 例  製品への関与度が高いほど情報探索を行う。
    • 製品への関与度
    • 情報探索
      • それぞれを測定するような項目を測定する必要がある。
    • AAな人はBBする傾向が高い。
      • このように、人の特徴として仮説を設定するよりも、AA度の高さとBB行動には正の相関がある、といった概念間の仮説として述べる方が、学術的。抽象度もある程度、高い方がよい。
  • 適切な方法を選ぶ
    • 適切なデータや事例を収集
    • 事例についてはできるだけ深く。
    • データを集める前に分析方法を明確にしておく。
      • どの仮説を
      • どの変数を使って
      • どのような手法で分析するのか。。。
      • 測定の尺度にも注意

   メトリックな変数(足し算、引き算できる)とノンメトリックな変数(足し算、引き算できない)

      • 悪い例)回帰分析する予定です。

 分析手法はそうかもしれないが、具体的にどの変数をどの変数で説明するのかが不明。 →変数の測定し忘れなどが生じる。

考察、まとめ

    • 目的に対応した考察を。
    • 支持されなかった仮説については特に考察が重要に。

 

 3 構成について

下記の項目は必須。。

  • 表紙
    • タイトル
      • 「広告についての研究」のような堅めのタイトルでもよいが、「なぜ広告を投稿するのか?」のようなものの方がわかりやすい。
    • 提出年月  年 月
    • 学籍番号→不要(HPで公開するものについては)
    • 氏名
    • アブストラクト(要約)
      •  この論文でわかったこと、結論を書く。1パラグラフ、数行。最大でも10行程度。
    • キーワード
      • 数個から5個程度
  • 2ページ目(英語など)
    • 1ページ目の内容を英語で
  • 目次
  • 本文
    • はじめの章 もしくは はじめに の部分では、各章でなにをするかを簡単に書いておくとわかりやすい。
    • 例)1章では、過去の研究をサーベイし、2章では、、、、、3章では、、、、
      • 構成は自由。ただし、最後の章では考察を。
    • 各章の中で、節、項などで区切るとよい*
    • I 章
    • 1 *****についての先行研究
    • 1) **** による研究
    • (1)要素1

        ・

    • 各章のはじめに その章でなにをするかを簡単に説明しておくと読みやすい。
    • 各章の最後には 各章の総括、まとめがあるとよい。
    • まとめの図もしくは表(特に事例や先行研究レビュー)があると、さらによい。
    • 章の区切りは改ページもしくは 段送り
  • 先行研究
    • 書き込み不足のものが多いので、詳しく。
    • あとで使う概念を「」で明示
      • 濱岡(2007)のように引用すればよい。論文タイトルは文中には不要。
    • 先行研究からの知見、課題をまとめる。
  • 事例
    • 書き込み不足のものが多いので、詳しく。
    • 事例についても複数した場合は、知見をまとめる。
  • 仮説
    • 根拠となる先行研究、事例があるものは明示
    • 体系的に提出
      • 例 消費者の要因
      • プラットフォームの要因
    • マーケティングでコントロールできる要因が入っている方がインプリケーションを導出しやすい。
  • 分析部分
    • 調査方法
      • 対象者、方法、回答人数など記述
    • 単純集計
      • 従属変数になるような重要なものはグラフをいれて解説。
      • 5段階ものは折れ線グラフ。
    • 分析結果
      • 複数仮説はなるべく一括して検定できる重回帰、SEMで。
      • 結果の表示→必要な情報の提示(R2,RMSEA,Nなど)
      • 図表 だけでなく説明を。
  • 考察
    • 先行研究との結果の対比
    • 事例、先行研究、仮説、結果などを関連づけて考察
      • 例「、、、の事例(の研究では)では,,となっていることから、,,という仮説を設定したが、棄却された。、、、それは、、、、の違いによると考えられる。」
  • 実務へのインプリケーションなど
    • 結果や事例研究を踏まえてをまとめる。
  • 今後の課題
    • 自分たちの研究の反省点(ワーディングの問題、サンプルの偏り・サイズ)だけでなく、アカデミックな研究として、どのような方向があり得るかも記述。
      • 例 本研究では取り上げなかった、、、についての研究をする。
      • 先行研究と異なる結果が得られたので、その原因を探求する。。。

など

  • 謝辞
    • ヒアリング先などあれば
  • 参考文献
    • 著者名、発行年、タイトル(雑誌の場合は記事名と掲載誌名、Vol, No.も)
    • 学術論文の場合、あまりに世俗的な本(通称バカ本)は避けた方が良い。
      • 例 1分間でわかるマーケティング  
      • 大学でより高度なものを習っている場合は、引用すべきではない。

 

  • 付属資料 (あれば)
    • 調査票やRからの生出力などはこっちに。

 4. 細かい点

  • 概念など
    • 明確、正確に定義されているか?
    • 仮説にふさわしいワーディングか?
  • 体裁など
    • ページ番号をフッターに
    • 段落の 始まりは1文字下げ
    • 言葉づかいは統一(ですます、、である など)
    • 論文らしいことば使い。
      • 仮説を立てる  →仮説を設定する。
      • 話を進める   →議論を展開する。 考察を進める。  など。
    • ですます よりは である調。
      • ただし 無意味に受け身調にする必要はない。
    • 専門用語も統一
      • 例 製品に対する関与  製品インボルブメント    など同じことを指すのならば統一。
    • 仮説とそれらが支持されたか否かの一覧表が最後にあると 考察しやすい。
    • 有効桁数
      • アンケートデータの場合、せいぜい3桁。
      •  Rでは optins(digits=3)で設定可能。
  • 図表
    • 適切なタイトルをつける。
    • 説明をかならずする。
      •  例  **** を図表 *** にまとめた。
      • 説明しないのならば、付属資料もしくは削除。
    • 統計ソフトからの出力そのままではなく、変数名は日本語化
    • 複数のモデルを分析した場合は、最後にでも一覧表にするとよい。

   例           モデル1      モデル2          偏回帰係数(t値)   説明変数1   1.25 (6.99)***   1.25**      説明変数2             1.05   説明変数3   ......    R2    修正R2   注)*** 1%水準で有意、、、、、、

    本文に載せるのは この程度でよい。

  • 引用
    • 自分の考えと他者からの引用を明示。下手すると盗用になる。
    • 文章や概念そのまま引用の場合
      • 「自分の考えと他者からの引用を明示。下手すると盗用になる。[Author(2003),p.12]」
    • 図表 の場合も
      • 図表 の下に   出所) をつける。
      • 図表 を修正して引用したり、基づいて作成する場合。

   出所) **** に基づいて作成。     出所) **** に基づいて筆者修正。

    • 事例など
      • 文章中もしくは脚注に   この事例は ***に基づいて作成した。 のように情報源を。
  • 仮説の設定部分
    • 設定の根拠を説明。
    • 先行研究を参考にしたのならば、そのことも明記。
    • 1 2 3 など単なる数字ではなく、下記のように仮説であることを明示。
      • 仮説1 ******と*****には正の相関がある。
      • H1 ******と*****には正の相関がある。
  • 仮説の検定
    • 仮説ごとに説明。係数の値と有意水準なども例えば下記のように本文で紹介。

 ****の係数は 9.66で1%水準で有意である(t=9.66,p<0.01)。よって次の仮説は支持される。 H1 ******* 

 5.再度確認

  • 内容、構成
    • 目的は明確か?
    • 目的に応じたデータ、分析が行われているか?
    • 正しい分析方法、解釈か?
  • 体裁
    • 論文らしいか?

  言葉使い  内容、構成?   過去の文献サーベイなどが行われている。   これまでの研究からの知見、限界がまとめられている   なんらかの新しい知見がある。

  • 校正
    • 再度読み直してみましょう。
    • 家族や友人にも読んでもらいましょう。